北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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秋の朝(新門司南地区)

門司区の新門司南側にある周防灘に面する岸壁から
秋の朝の姿を撮影しました。
これまで、新門司北側から夜明けを待ち、
水平線から昇る太陽を眺めたことはありますが、
南側からの朝焼けを見たことがなかったので、
日が昇る時間に合わせて、訪れる計画を立て、
上空がほんのり明るくなる午前5時半に現地に到着しました。
とはいえ、陸上や海上の色は、ほとんど真っ黒です・・。
雲の多いお天気でしたので、一瞬でもいいから太陽が
見ることができれば、それでよしにしようと思い、
じっと待っていると、
釣り道具を抱え、
岸壁の先端の方向に歩いて行く、年配の釣り人の方から、
何の写真をとっているのかを尋ねられ、
太陽ですと答えたところ、
“毎朝来れば、いい写真がとれるよ”と言われ、
“おっしゃるとおりです”と答えたものの、
この近くに住んでいないと現実的には、難しそう・・。
そして、その方は笑顔で、“いい写真がとれるといいね”と、
言い残し、背を向け歩き去って行ったため、
その言葉にお返しをするように、
“たくさん釣れますように!”と、大声で叫びました・・。
片手を少し上げて、その方は反応を示してくれました。
上空は、陽が昇る午前6時を過ぎても
太陽が現れる気配がなく、6時半を経過した時点で、
日をあらためることに決め、戻る道を歩いていると、
到着時に、真っ黒だった海の色が変化し、
岸壁沿いに設置されたテトラポット付近をよく眺めると、
浅瀬の海底の砂が見えていました。
太陽は見ることができませんでしたが、
やさしい釣り人の方と、少ない会話を交わせたことで、
心に、ぬくもりを感じることができた朝になりました。