北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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短冊状の当て金を使った突合せリベット接合

軍艦防波堤 駆逐艦「柳」のリベット接合

腐食した船体
コンクリートが露出した船体
駆逐艦「柳」は1917年(大正6年)に竣工した当時は、鉄板の溶接部やその周辺部からひび割れることが多々あったため、溶接接合の信頼度は低く、軍艦の重要部分はリベット接合が行われていました。
駆逐艦「柳」の艦央部の鋼材接合には「当て金(あてがね)」を使った「突合せ(つきあわせ)リベット接合法」が使われています。
1艦で数千本のリベットが必要で、その分、重さも増えていました。
艦央部の船腹に、かなり風化が進んでいますが、リベット接合を実際に観察出来る貴重な軍事・産業遺産です。
沈埋後一度補修した時に、表面を茶色の防錆ペイントで保護しているようですが、厚さ10㎜ほどの鉄板部分が腐食により穴が開いて、沈埋時に詰めたコンクリートが露出しています。
1962年頃の航空写真には、3艦が直線状に伸びた姿が見えます。現在とは逆で、埋立地に埋まった2艦が防波堤の先端部で、「柳」後部から伸びたL字の防波堤が2㎞ほど現在の運河沿いに続いています。