北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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写真ではこのライブ感が伝わらないかも…

中華鍋サイズの巨大チャンポン

まだこんな店あったんだ・・・と、思わず懐かしくなる。
西工大生に紹介してもらったチャンポン屋のことである。
とにかくデカい。まずは、中華鍋サイズの器が目の前にドンと置かれる。
なんでも直径30cmの有田焼とか。
たいがい初心者は、この時点で、その圧倒的なサイズに度肝を抜かれる。
器の中に視線を落とすと、森のような具材が湯気を立てながら鎮座している。一日分の野菜は採れるかもしれない・・・。
こんな巨大チャンポンには、レンゲなんか似合わない。鍋用のオタマが具に突き刺さっている・・・・。
迫力は申し分ない。
見た目とは裏腹に、味はあっさりとしている。
その理由は食べすすめればわかる。なにせこの量の麺と具。食べごたえに程よい味付けというものがあるのだ。
よく計算されている。美味い。
以前、北九州在住の料理研究家の方に「量も味のうち」と教えてもらったことがある。まさにその通りだ。
これで一杯500円。美味さの満足感と、食べ終えた達成感。どこかで感じた懐かしさ。いろんな気持ちで心がたっぷりと満たされる。そう言えば、チャンポンとは本来「異なるものを混ぜる」という意味。なるほどこの店の「ちゃんぽん」とはそういうことか。
昔は、学生街に必ず一軒はこんな店があったような気がする。今ではファストフードやチェーン店におされて、店をたたんでしまったという、さみしい話も聞く。
とにかく頑張ってほしい、と思いつつも、この店の繁盛ぶりを見れば、それも杞憂というものか。
とりあえず写真を撮った。サイズを伝えるために無意識にタバコ箱を添えていた。これまた懐かしい体験だった。湯気でほんのりレンズが曇った。