北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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松本清張記念館

新聞エッセイ、2回目のご紹介です。
今回は、清張記念館について書きました。
想像を遙かに超えた芸術に出会うと、おもわず笑ってしまう癖がある。
人間ってこんなものまで創れるのか。感動のあまり心が躍り、
嬉しくなってしまうのだ。
ガウディの聖家族教会、ピカソのゲルニカ、そして、松本清張記念館を
訪れた時もそうだった。
彼の圧倒的な仕事量とその迫力に笑った。
展示の仕方もいい。美しい塔のようにディスプレイされた700冊の全著作、
誰もが人生を重ねてしまう22mの年表、信じられない資料の山、
移築された書庫にある3万冊の蔵書。42歳という遅い作家デビューから
40年。
他に類を見ない巨人の足跡に改めて驚く。
「自分はこれまで努力だけはしてきた。それは努力が好きだったからだ」と
遺言状に記した清張。こんな人間、滅多にいない。
自分の住んでいる街に清張がいた。
それだけで、勇気凛々。
この街にはいくつもの物語がある。
PS なんてことを、書いてました。
ところで皆さん、清張の作品の中ではなにが
一番好きですか?
僕はデビュー作の、或る「小倉日記」伝、です。