北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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正式名称は小倉DCタワー。屋上にはヘリポート。

DCタワーとサニーパンと北九州の新しい単位

みんな大好き。サニーパン。
室町にできた高層マンション「DCタワー」の高さは145.7m。
以前、建築中の現場にお邪魔したことがあるが、そこからの眺望は、あの巨大なリバーウォークすら、はるか下界に見下ろせた。
なんでも九州最高層のマンションらしい。
まだ、新参者の感があるこのDCタワーだが、手っ取り早くこの街のシンボルとして認知させるにはどうしたらよいか。
考えてみた。
その答えの一つが「単位になること」かもしれない。巨大なものを説明するときの単位だ。「東京ドーム○○個分」と表現するあれだ。
とんでもなく広い土地を㎡とか㎢で説明されてもピンとこないが、この単位で表現されたらなんとなくわかった気になる。
DCタワーも、あんな風に「単位」として使ってもらえば、きっと認知されるに違いない。
最近では、九州で「ヤフードーム」が「東京ドーム」を差し置き、広さの単位として使われ始めた。全国区でなくとも、その地域に根差す単位が出現しているのだ。
つまり世の中は「地域単位」の時代に突入している。ならばその潮流に乗ろう。
さて、現在、広さの単位はドーム球場の牙城だが、DCタワーが得意とする「高さ」の単位はどうだろう。
一般的には、東京タワーや富士山といったところか。ここに何としても「地域単位」としてDCタワーが食い込みたいところだ。
しかし待て、東京タワーはスカイツリーに取って代わられるではないか。奴のインパクトはデカすぎて、全国の「高さ」の単位を席巻してしまうだろう。たしか今年の5月開業のはず。時間がない。なんとか今のうちにDCタワーで地域単位の座を確立しなければならない。
でも、いったい、なにをどうすればよいのか?
そうだ、何かを測ればよい。
でも何がふさわしいのか?
焦る手元に「サニーパン」があった。そうだこれだ。
すぐさまシロヤに電話して、販売数を確認する。
「多い日で3,300個。少ない日で1,900くらい・・」と控えめな女性の声。
平均して1日で2,600個ということになった。
次は計測にとりかかる。サニーパンにできるだけ正確に定規をあてた。
そのとき、「単位」の神様が舞い降りたのを確かに感じた。
なんと、サニーパンの横幅は56mmだった。
そして1日の販売数は2,600個。
横に積み上げると、56mm×2,600個=145,600mm=145.6mなのだ。
ほぼDCタワーの高さ(145.7m)である。0.1mなど誤差だ。
私の人生でこれほどの発見をした日はない・・・。
ここに、DCタワーの「地域単位」デビューにふさわしい、奇跡の公式を提示しよう。
1日に売れるサニーパンを横に積み上げた高さ = DCタワー1本分
我々は、今後、サニーパンを噛みしめるたびに、DCタワーのことを思い出すだろう。
北九州の「地域単位」時代は、新しいシンボルとともに幕が開けたのである。