たくさんの美しい時と風に包まれながら、このまちに暮らす私たち。
それぞれの思いや生き方が「美しいまち・北九州市」の姿を形づくっています。
「美しさ」とは、特別に磨き上げられたものだけに使われる言葉でしょうか。
よそ行きの晴れ着のようにどこか非日常の世界にあるのではなく、私たちのすぐ隣に、
私たち自身の心の中に、そして日々の営みの中にこそ、「本物の美しさ」があるのではないでしょうか。
見上げれば、青い空が広がっている。彼方には、海もある。山の緑もある。
都心には川が流れており、水辺には憩いの場もある。
海の幸、山の幸、畑の幸。その恵みを届けてくれる人たち。
私たちは、このまちの、ここに暮らす人々の本当の姿に、どのくらい気づいているのでしょう。
このまちには、多くの美しい財産があります。それは、有形・無形の文化財や遺産だけではありません。
人々が協力し、支え合いながら、時には前へ進むため、争いながらも歩み続ける足跡は
何ものにも代え難い、このまちと私たちの進化の証です。
北九州市 時と風の博物館は、北九州市のすべてを大きな屋外博物館に見立て
ありふれた日常の中で何気なく見過ごされがちだった、このまちが誇るべき魅力や個性を私たちの力で編纂し、
未来へ繋げようとする試みです。
人々が絶えず紡ぎ続ける美しい記憶や感性、知識や行動はすべてが大切で愛おしい、残していくべきもの。
これらの地域資源を、時も場所も越えてお互いが共有し、まちの未来を切り拓く、力に変えていきたいと思うのです。