北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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若松南海岸の雨

12月下旬の雲の多い夜に、
若戸大橋を望む洞海湾沿いの若松南海岸通りを歩きました。
吹きつける風がほとんどない穏やかな夜、
西洋の雰囲気が漂うクラシカルな“旧古河鉱業若松ビル”から、
にぎやかなリズムと歌声が聞こえ、
テーマパークの中に設置された魔法の建物のように、
あたたかい灯りを放っていました・・。
そして、そのビル越しには、白いLEDで照らされた赤い橋が、
力強くたたずむ姿が、目に映ります。
しばらく、そんな光景を前にしていると、
いつの間にか、しっとりと雨が降り始めたので、
“旧ごんぞう小屋”の屋根の下に入り、
ひと時の雨宿りをしていると、
空から落ちてくる“しずく”が、ウッドデッキを光らせ、
その小屋に設置されているガラスに、
若戸大橋の一部が反射していることに気がつきました。
晴れたままの天気だったら、
出会えなかったかもしれない光景ですが、
空からの“しずく”は、そのことを知らせたのち、
低く位置を早く流れるような雲とともに、
どこかに去ってゆきました・・。