北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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キッチュな庭園

いつもと違うスーパー・ストアに行く途中、妻が「きゃあ~すご~い」と叫んで、目を丸くした。
「どうかしたか」
「あなたって、鈍感ね。こんなに奇麗な、コンテナガーデンに気がつかないなんて」
「驚いているさ。たいへんな労力をかけたもんだ」
「ガーデニングへの情熱に感動しちゃうわ。ゼラニューム、パンジー、インパチェンス、マリーゴールド、ペゴニア、 そしてアイビー。色と姿のバランスが、とてもすてき」
(わが家のベランダは、いつも水やりを忘れて植物を枯らすくせに…)
「花のほかに、豚、ペンギン、羊、キリン、七人の小人、メタボリック・シンドロームのシェフ、カンテラを提げたた髭おやじ、蛙人間までいるぞ」
「ハンギングバスケット、プランターや鉢の配置が、とてもお上手だわ」
「ごてごて飾って、俗っぽい感じがしないか。ライトアップの設備もしているみたいだ」
「多くの人に、楽しんでもらいたいという善意が溢れているわ」
「他人の目を意識して、作り過ぎだと思うな」
「美しく装って、人に見てもらうってのは、良いことよ」
「厚化粧はいやだ」
妻が疑い深そうな、へんに鋭い目でおれの顔をにらんだ。
「あなた、私のメイクのことを言ってない?」
撮影 小倉北区旦過・天神島橋から
(現在は撤去されて幻の景色となりました)