北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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馬頭観音:勝山公園(慰霊碑・慰霊塔)

東からの入り口そばの様子です。
「生馬神之塔」は馬頭観世音菩薩像の左脇にあります。「生馬神」は『いきうまのかみ』や『いくまのかみ』とも読まれます。日露戦争に従軍した旧小倉市の坪根金一翁は、数十万頭とも言われる戦死したすべての馬を慰霊する碑の建設にかかる浄財を集めるため、全国各地で5年に及ぶ募金活動を行い昭和17年に建立しました。《出典:北九州史跡同好会発行・「北九州の史跡探訪」》
八坂神社東門横広場には、馬を祀る多くの慰霊碑や慰霊塔があります。この石像は、馬を頭上にいただくことから馬頭観世音菩薩の名前があります。馬の信仰はギリシャ神話のペガサスやインド神話の馬車に乗る太陽神など、馬は聖獣として扱われます。また、観音様と言えば美しくやさしい女性のようなイメージがありますが、髪を逆立て牙をむきだした唯一怒りの表情をする菩薩で、さまざまな悪と戦い衆生(しゅじょう)の苦を滅して救います。後世になり、馬を守る仏として路傍に祀られるようにもなりました。《出典:清水眞澄著・「よくわかる仏像のすべて」、池田書店発行・「よくわかる仏像」》