北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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ゾウさんに餌やり!長い鼻にびっくり★

みんなの力で受け継いだ「到津の森公園」

キリンさんは背が高い!見上げると後ろに転げる★
動物以外にちょっとした遊園地も★
8年程前、就職が決まり、生まれ育った福岡県のとある田舎町から、一人でこのまちに移り住んできた。
北九州市にいくことを決めた時、父が言っていたこんな事を思い出した。「北九州市には地域の力が受け継いだ動物園がある」と。高校で数学教師をしている父は、自分にとってはちょっとモノ知りな自慢の父でもあった。
父の言っていることは、当時の自分にとっては、遠いまちの出来事であり、あまり関心のない出来事であった。
このまちに越してきて、8年が経過した。一人だったぼくには、今、2歳になる息子がいる(もちろん、嫁もいる訳だが…)。
全てのことが新鮮で、感動する息子をみて、「到津の森公園」へ足が向かったのは自然なこと。そんな息子は、動物たちと触れ合い、ヤギに噛まれ、ゾウに餌をあげ、キリンを見上げ後ろに転げるなどなど、大満足したご様子。終始、満面の笑みでこちらを見ていた。そんな息子をみて、親も幸せいっぱいの気持ちになる。
父が言っていた「動物園」とは、ここだったことを思い出した。
平成10年、当時の経営母体であった西鉄が、「到津遊園(=当時の名称)」閉園の方針を発表した。その後、存続を求める要望が52団体、26万人から寄せられたのだ。地域の力が源となり、現在は公的機関が経営主体となり、市民ボランティアなどに支えられながら、運営されている。
このまちが守ろうとしたものは、遊園地そのものではなく、ここに集う人々の「笑い」「感動」「幸せ」だったのだと思う。
このまちが、これからも守っていくべきものとして選んだ1つの場所なのだ。子どもをはじめとした、このまちで暮らしていく人たちのために。
このまちに暮らす人それぞれが、このまちの一部を創造しているのだと感じる。