北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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北九州市道路公社HPより:撮影 牧田 豊氏

若戸大橋であったもう1つの話

昭和34年4月から始まった工事も順調に進み、昭和36年6月末にはメインロープの張り出し用足場(キャットウォーク)が完成、7月15日には、最初のロープ張り渡し(全部で61本、上下線で計122本)が行われ、白木戸畑市長が足場を歩いて渡り、若松側橋台で待ち受けた吉田若松市長と感動の握手となった。その後、ロープの張り渡し作業は順調に進み、9月中旬にはほぼ完了した。
事件が起きたのは、ロープ張り出し作業中の8月初旬のある日の午後、今でも一部の人たちの間で語り継がれている話である。
その日は、ギラギラと夏の太陽が照らしていたが、海上50mのキャットウォーク上は、さわやかな微風が吹き、暑さ知らずの天国に深夜作業の疲れも忘れさせるほどだった。
その時突然、一つのカタマリガ大きなうなり声とともに足下を通り過ぎた。なんと飛行機がキャットウォークの下を潜ったのだった。
数十名の作業員は、一瞬呆然とし、次の瞬間足場の金網にしがみついた。
もしも・・・。考えただけで身震いがする。憤然とするのが当然である。無謀にもほどがある・・・・それとも飛行機の英雄的(?)な行為を賞賛すべきであろうか。
若戸橋工事報告書には、以上のような記載が残されています。
その時の作業員の驚きと恐怖の様子がが伝わってきます。
当時は、航空法もそれほど厳しくなく、このような行為も可能だったのでしょうが、一歩間違えば大変なことになっていたと思うと・・・・・・。
その若戸大橋も、今年の9月で50周年を迎えます。昨年の9月からは、50年ぶりに架けられたキャットウォークを利用してメインケーブルの点検・補修作業が行われています。