北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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軍艦防波堤

響灘がまだ埋め立てられていない戦後間もないころ、 この辺りは響灘の荒波が打ち寄せる湾口部だったよう で、防波堤として「柳」、「冬月」、「涼月」の3隻の駆逐艦が沈められました。その後、響灘一体が埋め立てられたこともあり、 「柳」と同時に沈められた「冬月」と「涼月」は護 岸の中に埋没してしまい、現在確認できるものは、 「柳」のみとなっています。
「柳」は、1917(大正6)年に佐世保工廠で進水し、第 一次世界大戦の際に帝国海軍で初めて地中海で戦闘を 行った歴史的な艦船です。 地中海では、日英同盟に基づいて僚艦7隻とともにマ ルタ港を母港にドイツの潜水艇と戦いを繰り広げまし た。
「冬月」、「涼月」は、戦艦大和の最後の出撃に 直衛艦として出撃し、奇跡的に生還した艦船であ り、埋没してしまったのが残念です。
風力発電機が並ぶ響灘地区の外れにひっそりと眠る歴戦の勇士達。彼女達はこの都市を、この国を、静かに見守っています。