北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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若戸トンネル

夜、流れる街灯のあかり、青や赤のシグナル、料金所を通過すると、海底トンネルに入り、景色が一変し、海底深く泳ぐ、熱帯魚になったような気持ちで、車窓からの眺めをシャッターに収めました。
お気に入りの曲にスイッチをオンにした時、そういえば・・・、
車内で音楽を聴くために、買ってきたLPレコードをやさしく取出し、スプレーを吹きかけ、クリーナーで拭き取り、A面にダイヤモンド針をゆっくり落し、
メタルテープにしようか、クロムにしようかなど思いつつ、カセットデッキのヘッド、ピンチローラのクリーニングを終え、録音レベルを調整し準備完了。
あらためて、A面オープニングから再生を行い、録音が始まると、ライブハウスのトップシートに座っている心地で、レコードジャケットをじっくり眺め、流れてくるリズムを聴き入り、終わるのを待つ、そんな時のことを思い出しました。
緩やかなカーブにハンドルを少し切って進むと、その先に出口が見え、流れている曲が次の曲に変わろうとフェードアウトしていました。
最新技術を駆使し、このまちに誕生した新しい海底トンネルからは、技術者たちの過去の努力や苦悩が礎となり、革新的な技術を生むことを教えてくださるかのようです。
そして、技術者がたくさんいるこのまちで、古くても優れた考え方を継承しつつ、将来に向け、新技術の開拓に日夜励んでいる方が多くいらっしゃることに、心より脱帽したくなりました。