北九州市 時と風の博物館

日常の中で見過ごされがちな北九州市が誇るべき魅力や個性を、地域資源として私たち自身で編纂し、未来へ繋げましょう。

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畑観音の滝

八幡西区にある畑観音の滝を撮影しました。
盲目になった姫の伝説が残るこの地・・。
江戸時代に行われた雨ごいの秘法・・。
観音堂のそばにある洞窟の水は、眼病に効果あるといわれ、
また、江戸時代の雨ごいの最後の手段など、
その詳細を示す内容が、北九州市教育委員会の看板によって、入り口に立っていました。
平地から、かなりきつめの山道を上ると、左に水の流れが、右に木々が並ぶこのあたり・・。
ひっそりと静かな渓谷に、野鳥の鳴き声と水が勢いよく流れる音が飛び込んできました。
しだいに息が苦しくなると、
目の前には、滝の姿が・・。
このまちにある伝説の場所には、歴史の奥深さと、先人達の生き様を肌で感じることができます。
~北九州市教育委員会の看板より~
音滝山釈王寺(いんたきさんしゃくおうじ)は、通称畑の観音、音滝観音、瞽女(ごぜ)観音などと呼ばれています。
瞽女観音と呼ばれるのは、盲目になった姫の伝説が残っているからです。それに因んで、観音堂のそばにある洞窟の水は、眼病に効験があるといわれています。
堂の裏手の滝は、この付近では珍しい神聖な修行場として滝に打たれる人が少なくありません。
階段下の滝壺では、江戸時代には大干魃(だいかんばつ)の際、雨ごいの秘法が行われました。
嘉永6(1853)年の2ヶ月あまりに及ぶ大干魃に際して、現在の八幡東区の村々では、雨ごいの最後の手段として、 福岡城の矢倉に保存されている虎の頭を役所を通じて借り出し、蛇形(じゃがた)をこしらえ、 一緒に滝壺に沈めました。
一瀬村の高見神社の社僧が来て、蛇の頭に幣帛(へいはく)を立て、蛇の舌に祈祷札(きとうふだ)をはり、滝壺にさかさまに浸けました。これは神聖な場所を汚して神の怒りを招き、雨を呼ぶ手段でした。